本日はライフプランに欠かせない、老後に関する公的年金のお話しです。
・年金って、どうせ老後の事でしょ、まだまだ先だから関係ないよ!
そう思う20~40代のあなたも、働き方によって変化する年金額は今後のキャリアプランを立てるにも参考になります。併せて退職後の支えとなるであろう年金額が、将来どの程度もらえるかを知っておいて損はないですよね。
・な~んだ、このくらいしかもらえないの?
・えっ、こんなにもらえるの!?
いずれの感想にせよ、ただ漠然とした不安を持ち続けるより早めに目安を知り、これから何をすれば良いかを考える時間を持てることはとても大切なことです。
さて、本題に入りましょう。簡単に年金見込額をシミュレーションする方法は?
結論は、ねんきんネットです。
公的年金の運営業務をおこなっている日本年金機構が提供しており、インターネット経由でいつでも自分の年金記録を簡単に確認できるサービスです。
ねんきんネットでは、自分で希望の条件を設定するだけで将来の年金見込額を試算できる機能があります。自分でライフプランを立てるのに、とても便利なツールです。しかも無料サービスで、ユーザーIDを登録すれば、簡単に利用できます。年金額を試算するシミュレーションソフトは、これ一つあれば安心です。
将来もらえる年金見込額を知るためには?
ねんきんネット以外にも、将来の年金見込額を知ることができるいくつか方法がありますので、まずはどんな手段があるか確認してみましょう。
・自分で過去全ての加入記録を確認し、年金見込額を試算する。
過去の報酬額毎に、現在価値に換算するための再評価率を掛けて試算します。これって言葉を理解するだけでも難しいのに手計算に時間がかかって、心折れちゃいますよね。こういうことは、年金事務所や専門家(社労士やFP)に相談しないと自分では面倒で難しいですね。
・年金事務所に行き、年金見込額を試算してもらいます。
50才以上であれば、試算してもらえます。
残念ながら、50才未満は年金見込額の試算はできず、加入期間・加入履歴しか確認できません。ちなみに年金事務所は事前予約が必要で、数週間先まで予約が埋まってる事務所もありますので、50才以上の方はお早めに事前予約をしてください。
・年に1回送られてくる、ねんきん定期便を確認する。
毎年誕生月に、日本年金機構から直近約1年の加入記録が掲載されたハガキ(※)が送られてきます。
50才以上であれば、一般的には将来の年金見込額がハガキに試算されています。ただしこの見込額の条件は、60才になるまでこれからも今の職場で今の給料がかわらないという前提のシミュレーションとなります。
50才未満は、定期便発行時点までの間に過去納めた保険料に基づく年金見込額のみが試算されています。つまり、これからの将来納めるであろう保険料分の見込額については反映されておらず、将来分は自分で試算しなければいけません。年に1回の通知書ですので、なんだかわからず紛失したり、捨てたりする方々もいらっしゃいますので、気を付けてください。
※35・45・59才時は、全加入期間の記録が掲載された書類が封書で届きます。
ねんきんネットのメリット
年金見込額を知るためには何通りかご紹介しましたが、やはり、ねんきんネットの使い勝手が一番良いです。具体的な特徴は、
・50才未満も、年金見込額がわかります。
50才未満は、手計算する手間がなくなります!
・インターネット経由で、24時間いつでも・どこでもシミュレーション可能です。
50才以上でも、事前予約して年金事務所へ行く手間がなくなります!
・電子版ねんきん定期便をいつでも確認でき、ダウンロードも可能です。
紛失・廃棄しても安心です!
・様々な設定(例参照)で複数のシミュレーションが、簡単に試算できます。
キャリアプランに応じた、シミュレーションが思いのままに設定可能です!
【シミュレーション例】
- 転職したり、給料が変化したり、キャリアアップ後の年金額は?
- 受け取り開始時期を繰り上げ・繰り下げした場合の年金増減額は?
- 年金を受け取りながら働き続けた場合、年金額はいくら停止するか?
- 70才まで働き続けたら、年金額はいくら増えるか?
- 過去の未納保険料を納めたら、いくら年金額が増えるか?
日本年金機構は業務効率化を図るため、ねんきんネットの利用促進をおこなっています。今後もますます利便性(機能性)が増していくでしょう。2022年から年金改正によって、繰り下げ可能年齢が75才まで引き上げられますし、在職老齢年金制度の見直しで、65才以降在職中であっても年金額が毎年改定されるようになります。そんな変更点もどんな形でねんきんネットの機能に追加されてどう使い勝手が良くなるか、注目していきましょう!
ねんきんネットの注意点
・配偶者等の情報を反映していないため、加算金(加給年金)等は反映されません。
年金は世帯に配偶者がいる場合、各々の年齢や働き方(加入期間)によって、加算金や支給停止要件等の要素が絡んできますので、個人単位ではなく世帯単位において総合的に確認する必要があります。複雑な点については専門家にご相談ください。
・年金見込額はあくまで直近の水準に基づいた見込額であり、将来受け取る時点ではその時点における賃金・物価の伸び率と調整(マクロ経済スライド)等により、変化します。
退職世代の年金給付が増える分、現役世代の保険料も上昇させるという負担増を止め、保険料の上限を固定しました。そして国の負担割合を引き上げ、財源の範囲内で年金受給者へ給付をおこなっていくという、給付水準を調整する仕組みを導入したことにより、今後も年金給付額の上昇抑制は続いていきます。将来年金だけでは老後の生活資金が不足するという場合は、どのような対策があるか専門家にご相談ください。
まとめ
老後の年金は、年齢が若ければ若いほど先の話だからと関心が薄くなっていきます。優先順位からするとそれは合理的だと考えれますが、逆に言えば、早めに課題をみつけて対策を実施することが出来れば、若ければ若いほど “時間を味方につける” ことが出来るとも言えます。どちらがという極論ではなく、一人一人の状況が違いますので、個々の状況に応じた対応が必要です。
まずは現状を確認し、そして未来への希望を計画する。その一歩として将来の年金額をシミュレーションをおこない、将来について少しだけ考えてみる時間を確保してみてはいかがでしょうか?
ご質問・ご相談があれば、お気軽にファイナンシャルプランナーへの初回無料相談をご活用ください。